学校感染症に指定されている感染症の中には学校保健安全法で出席停止が定められている感染症があります。

インフルエンザの場合『発症後5日かつ解熱後2日』ですが、大人だからと言って感染症に罹患している人が出歩いて良いはずがなく、インフルエンザウイルスによるものを『インフルエンザ』、SARS-CoV-2ウイルスによるものを『COVID-19』と呼んでいるだけで全て風邪症候群の一種で、全ての感染者が自宅療養すれば、出歩いている人は無症状者だけになって感染拡大を抑えられるため、当クリニックはインフルエンザやCOVID-19などの診断に関係なく全ての風邪症状の方に『発症後5日かつ解熱後2日』の自宅療養を指導しています。

学校に関してはインフルエンザの場合、学校保健安全法に則り『発症後5日かつ解熱後2日』経過すれば自動的に出席しても構いません。

平成21年10月16日に厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部から

『地域の事業者等に対し、インフルエンザの軽症患者であれば、解熱後2日を経過すれば外出の自粛を終了することが可能であると考えられており、従事者等の再出勤に先立って医療機関を受診させ治癒証明書を取得させる意義が無いことについて、周知すること。

また同様に、症状がないにもかかわらず、新型インフルエンザに感染していないことを証明するために、医療機関を受診させ簡易迅速検査やPCR検査を行う意義はないことについても、周知すること』

と通達がされ、それを踏まえて平成21年10月19日に文部科学省より

『学校保健安全法(昭和33年法律第56号)第19条の規定に基づく児童生徒等の出席停止を行った場合などでも再出席に先立って治癒証明書を取得させる意義はないと考えられますので、適切に対応くださるようお願いします。

国立大学法人におかれましては各附属学校に対して、都道府県教育委員会におかれましては域内の市区町村教育委員会、所管の学校(専修学校・各種学校を含む。)、社会教育施設、社会体育施設及び文化施設に対して、都道府県私立学校主管課におかれましては所轄の学校(専修学校・各種学校を含む。)等に対して、周知をお願いします。』

と通達されていますが最近、大学から診断書の提出を求められるケースが多発しています。

大学はインフルエンザと診断されても発症日が分からないため発症日を確定させるために診断書が必要と言いますが、医療機関も発症日は患者の訴えで決定しますので、大学も学生の申告で決定するだけで良いはずですが、そもそも認めないのは学生を信用していない事になります。

更に出席停止期間中に試験があった場合、診断書が無ければ再試験は受けられないと脅します。

出席停止が定められていない一般的な『風邪』の場合は欠席扱いになって再試験を受けさせてもらえず、欠席扱いにせず再試験を受けたいなら同様に診断書をもらって来いと強要するケースが出てくると予想されます。

学校の単なる責任逃れ、事務的手続きのためだけに診療以外の不要な業務を医師にさせる事は非常に問題ですので、患者に文科省に訴えるように言いましたが、文科省の返答は学校の方針に従えというものでした。

医師は患者の求めがあれば診断書を発行しなければいけませんが、安易に作成すると学校の対応が問題にされず継続される事になります。

不要な物への対応のために本来の医師としての医療が妨げられますし、抑止力に繋げるために、苦渋の判断ですが学校や職場から強要される診断書は5500円(税込)にさせていただきます。

本人の希望ではなく学校の都合による強要ですので料金は学校に請求されれば良いと思います。

何卒、ご理解のほど宜しくお願いします。