インフルエンザは基礎疾患がある人、免疫力が低下している高齢者では重症化する危険がありますが最も罹りやすいのは小児で、学童が集団生活する学校からインフルエンザは流行し始め社会へと拡がっていくため、感染拡大の源である学校を押さえれば流行拡大を阻止できるのではないかという 「学童防波堤論」と言う考え方があり、このような考え方に基づいて1962年にインフルエンザの流行を阻止するため全ての学童にインフルエンザワクチンの集団接種が行われるようになりました

しかし学童の集団接種方式に関しては「学童全員にワクチン接種を強制するのは人権問題ではないか?」とか「学童だけに接種しても流行状況は変わらないのではないか?」など学童の集団接種に対する様々な批判が起こり、この様な情勢の中、次第にワクチン無効論が唱えられるようになりました

一方、80年代後半にはインフルエンザのような感染症は「個人の責任で防止すべき」であるという個人防衛の考え方が見られるようになり、1994年の予防接種法の改正で基本的にこの考え方が導入されインフルエンザワクチンは定期接種から外されて任意接種になりましたが、この結論に至った経過や説明が不十分であったため多くの人たちには「国がインフルエンザワクチンは効果がないから、学童の集団接種を廃止した」との誤解が生じ、ワクチン接種する人は極端に減りました

その後、高齢者のインフルエンザ感染、死亡者が増加しましたが、当時は学童と高齢者が同居している家庭も多かったため学童が感染すると同居している高齢者に家庭内感染を起こしたことが原因と考えられました

予防接種によりウイルス増殖を抑える事で軽症化し飛沫に含まれるウイルスも減少するため、学童が接種すれば学童自体の発症が抑制され、同居している高齢者への家庭内感染も抑制されて高齢者の感染、死亡を減少させる効果はあるようです

しかし昔は高齢者と学童が同居している家庭も多かったと思いますが今は核家族化が進んで学童と同居している高齢者も減り、学童に対する集団免疫が高齢者の感染、死亡を抑制させる効果は乏しくなっていると思われますこれまで予防接種によって無症候感染者を作り感染を拡大させている可能性があると唱えていましたが、予防接種によりウイルス増殖を抑える事で軽症化し飛沫に含まれるウイルスも減少するため、無症候感染者を作っても誰かに感染させるリスクは低いと思われますので、予防接種で作り上げられた無症候感染者が感染を拡げている可能性に関しては誤りでしたので撤回し、お詫びします。

しかし既にお知らせしているようにインフルエンザはCOVID-19のために多くの人が予防に気を付ける事によって4月以降はほとんど患者が出てませんので、換気、サーキュレーターなどでの撹拌、手洗い、手で目鼻口を触らない、呼吸器症状がある人だけマスクを着用、咄嗟に咳やくしゃみが出る時はマスクの有無に関わらず肘の辺りに鼻口を付けてする、トイレは蓋を閉めて流すという標準的予防法を行うことで、かなり予防できると思われます

予防接種を過信し油断して予防策を怠ってしまえば感染拡大に繋がりますので標準的予防法の実践が最も重要で、予防接種は重症化しすい高齢者、基礎疾患のある方、学童、乳幼児以外は積極的に推奨する必要は無いという考えに変更はありません