全国のICUベッドの8割をカバーしているECMOnetでは貴重なデータを集積して公表して下さっています。

国内のCOVID-19におけるECMO治療の性別と転帰 2021.03.04更新

国内のCOVID-19におけるECMO治療の性別と転帰 2021.03.04更新

国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の性別と転帰 2021.03.04更新

国内のCOVID-19における人工呼吸治療(ECMO除く)の性別と転帰 2021.03.04更新

(いずれの図も黒が死亡、赤が実施中、青が離脱軽快)

上の図で分かるように国内の新型コロナウイルス感染症で重症管理された方には、これほどの性差があります。

これはICU管理された重症者に限ったことですが全体の死亡者性・年齢階級構造を国立社会保障・人口問題研究所が公表していますが

死亡者性・年齢階級構造(2021.03.01時点)

 

上の図のような内訳です。

80代以上では女性の死亡者も増えますが70代以下では明らかに女性の死亡者が少ないです。

女性はACE2受容体が少ないため感染しにくいため死亡者数も少ないですが80代以上ではACE2受容体は関係なく基礎免疫の低下など加齢による影響と女性の方が比較的長寿ですので死亡者が増えていると考えられます。

そこから導き出される結論は新型コロナウイルス感染症の感染しやすさ、重症化はACE2受容体の活性に依存しているという事です。

今の感染対策は感染経路を断ち切ろうとしていますが、見えないウイルスと戦うためには感染経路対策には限界があります。

ACE2受容体の活性に目を向ければ喫煙者や肥満者などACE2受容体の活性が高い人と基礎免疫が低下した高齢者や基礎疾患がある人はリスクの高い行動を控え、有症状者のみ自宅隔離さえすれば、それ以外の無症状者は標準的予防策を行えばマスクも不要で普通の生活をしても全く問題ないと思われます。

全世界で感染経路対策を行っていますので今までの方策が間違っていたとは責めませんし、視点を変えた戦略ですので専門家たちの耳の届いて早急に方針転換される事を心の底から願います。

末筆ですが日々、重症患者の対応だけでも激務にも関わらず、ECMOnetで地道にデータを積み上げてエビデンスとして示して下さった医師の方々には心から謝辞を申し上げます。