命の重みに差が無いと言う人が居ますが本当にそうでしょうか?

2019年の日本人の平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳で、そこから平均余命が導かれますが、私は平均余命が命の重みと考えます。

今は緊急事態宣言が出されるほどですので以前にも述べたようにトリアージをする必要があり、平均余命の長い人を優遇しないといけないと思います。

当然、同じ年齢でも健康状態は違うので一概に年齢だけで判断できませんが、高齢者は普段は元気そうでも一般に基礎免疫が下がっているため重症化しやすく、回復したとしても長期化し、回復後の余命も短くなってしまうケースが多くなると思われます。

高齢者がICUベッドを埋めてしまうと長期化して回転率が悪くなり、若年者の重症者がICUに入れなくなって治療の開始が遅れて若年者が救命できなくなるケースが出てくる可能性が考えられます。

大阪で医療の逼迫が解消していないため吉村知事は緊急事態宣言の延長を政府に要請したようですがECMOnetでのデータでは実際には大阪では人工呼吸器装着患者は山を越えて減ってきています。

人工呼吸器装着者数の推移(大阪) 2021.05.25

赤線が実施件数で5/25時点で197件、グレーの線が受入可能数で何故変動があるか不明ですが5/25時点で316なので稼働率は62%になり医療の逼迫は解消されてきています。

年齢別の状況では80歳以上ではECMOを実施してもほとんど救命できてませんが、70代でも半数近くは救命できていて、若くなるほど救命率は上がります。

ECMO治療の年齢分布と転帰 2021.05.25
ECMO導入なしの人工呼吸器装着患者では若いほど救命率が高いですが80代以上でも半数以上が救命できています。

人工呼吸器治療の年齢分布と転帰 2021.05.25

人工呼吸器管理になってからの日数ですが15日までであれば救命率は高いですが16日を超えると救命率は50%程度になりますが、21日以上でも50%程度が救命できています。

人工呼吸器治療の日数と転帰 2021.05.25
これらのデータから分かる事は80代以上ではECMOを行っても救命率が低いためECMOの実施は控えた方が良いかもしれません。

ECMOnetデータでは5/25時点で人工呼吸器・ECMOを装着されて亡くなった方は1190人ですが、ECMOnetが全国のICUベッドの約8割とすれば実数は約1500人という事になります。

公表されている死亡者数は12511人ですので約11000人は人工呼吸器・ECMOを装着されずに亡くなっているという事になります。

これも以前から何度かお知らせしているように、この中には高齢のため初めから積極的治療を希望せずに看取られた人も居ますが、どこも受け入れ先が無く積極的治療をしない事を条件に受け入れられ、人工呼吸器・ECMOを装着してもらえずに亡くなった人も含まれているので、この中に人工呼吸器・ECMOを装着していれば救命できた人が居るかもしれず、全く報道はされてませんが命の選別は以前から既に行われています。

この事実を隠して命の重みに差が無いと言う人は単なる偽善者です。

一票の重みには差が無いので政治家は「命の重みに差が無い」と高齢者を優遇しているような振る舞いをして人数も投票率も高い高齢者の票を獲得しようと考えているとしか思えません。

しかし今の方策は病院や施設への面会を禁止することで高齢者が鬱になり、外出制限することで足腰が弱り心肺機能が落ち、免疫も下がり、高齢者に対しても悪影響にしかなってません。

医療が逼迫しているように見えているのは診療拒否する医師が居るため、患者が一部の医療機関に集中するためです。

医師が診療拒否しても責められない国が他にあるでしょうか?

それが許されているのは医師会がそういう医師を擁護しているのが原因です。

本来の仕事を放棄しているので医師免許を取り上げても良いぐらいなのに、診療してもらうために協力金を渡すという意味不明な事をしていますが、ほとんどは協力金をもらっても軽症しか見ないので重症病床の逼迫は解消されません。

真面目に仕事をして税金を納めたいという善良な市民に休業要請し、大阪で飲食・カラオケなどで数%しかクラスターが発生しておらずアルコールが感染・重症化に繋がるという科学的根拠は無いのに飲食店に自粛、アルコール提供を止めさせ、守らなければ過料を科すというのは言語道断です。

過料を科すなら診療拒否する医師に対してで、過料を科すと言えば診療拒否する医師が減って医療の逼迫は解消します。

そもそも診療拒否する医師の口実は院内感染が心配ということですが、院内感染対策をしていないと自ら言っているようなもので、そんな恐ろしい医療機関は淘汰された方が良いかもしれません。

若者が高齢者に感染させるような事も言われていますが、若者が遊びに行く所に高齢者が来ることはほとんど無く、接触する機会が無いので感染させません。

三世代家族も地方ではやや多いかもしれませんが緊急事態宣言が出されるような地域では数%ほどしか無いため家庭内感染のリスクも低く、そもそも家庭内で高齢者が感染したとしても家庭の問題で他人が口出しする必要はありません。

若者の感染者が増えれば高齢者の感染者が増えるというのは机上の論理ですらない単なるイメージだけで悪質な言いがかりです。

新型コロナウイルス感染症で亡くなる方は相変わらず70代以上が9割で、70歳未満では1割程度ですので、喫煙・肥満・糖尿病などの基礎疾患がある人は注意が必要ですが、それ以外の人は無症状であればマスクもせずに普通に生活をして経済を支え、会食をして免疫を高めて飲食店を支えてもらうべきだと思います。

死亡者性・年齢階級構造(2021.05.17時点)