私の説明不足で誤解された人が多いようですが、当クリニックではエアコンを廃止しましたが、皆さんにエアコンを使うなとは言っていません。

冷やしても体温が下がらないというのは暑い時期や発熱時のことを言っていますが、極度の熱中症の場合は脱水に伴い高熱も認めますので、冷やした輸液を点滴する事はあります。

テレビなどで頸部や鼠径部など太い血管が走っている部分を冷やすように言いますが、血流は部位によって多少の差はありますが動脈で秒速数十cm、静脈で秒速数cmで、冷えた部分を一瞬通っただけで血液が冷えるとは考えられません。

寒い時は先ずは血管を収縮させて体温を逃がさないようにし、寒いと震えた経験があると思いますがシバリングといって筋肉を震わせて熱を産生しますが、熱産生には限界があり、限界を超えて冷えれば体温が下がって凍死する可能性はあります。

当クリニックには窓がなく、常時換気扇を稼働させて換気に努めていて、入り口の自動ドアや待合室のガラスブロックから光とともに熱も入ってきますが、トイレなど扉を閉めれば全く光が入らない所では以前からエアコンが無くても涼しく感じていました。

昨年の関西万博に行った時に多くのパビリオンで炎天下に行列ができていましたが、ミストが発生する冷風機に当たって多くの人が涼んでおり、クリニックにも利用できるのではないかと昨年から試験的にエアコンを使わずに冷風機を導入しましたが、それほど暑いと感じず、ミストに当たると涼しいと言う方もおられたので今年から本格的にエアコンを廃止して冷風機だけで室内を冷やすようにしましたが、事情を知らないと少し暑い、むしむしすると感じる人も居られると思い、誠意として公表させていただきました。

一般に室温は夏に28℃、冬に20℃が推奨されていて、室温を推奨される温度にするためにはエアコンの設定は夏は28℃よりやや低め、冬は20℃よりやや高めに設定する必要がありますが、日本では店舗などで過剰なおもてなしで夏に暑いと思わせてはいけない、冬に寒いと思わせてはいけないと夏は過剰に冷やし、冬は過剰に暖めることが多く、テレビがしきりとエアコンを使えと言っている事も一因と考えられます。

夏に25℃以下、冬に25℃以上に設定する人も多く、酷い人は夏に20℃以下、冬に30℃以上に設定する人も居て、室温を夏に寒くし、冬に暑くすれば、身体の体温調整機能が麻痺することは想像できます。

エアコンを廃止すれば室温は非常に高くなると勘違いする人も居ますが、室温が35℃ほどになるのであればエアコンを廃止するわけがありません。

当クリニックの室温は30℃前後で、推奨されている室温より2℃ほど高いだけで、ミストに当たれば涼しいという方も居ますし、冷やし過ぎている所が多いから丁度いいと言う方も居られます。

気温が35℃の場合、25℃の室温を涼しいと感じるかもしれませんが気温との差は10℃もあり、外に出た時に非常に暑く感じますが、室温が30℃なら5℃の差なので、そこまで暑く感じません。

フランスのパリでも気温が40℃以上になることがあるようですが、景観を守るためにエアコンの室外機が取り付けられないためエアコンの普及率は約10~24%と言われており、暑さをしのぐためにセーヌ川で水浴びをする人も居るようで、パリでは当クリニックと同じような対応をしている所は多いと思われます。

パリ以外でもエアコンが普及していない地域はあり、日本だから違うと言う方が居ると思いますが、国や人種は違っても気温が40℃以上でもエアコンを使わずに生活している人が居ることは事実です。

日本でもエアコンが普及していない時代は暑ければ行水し、扇風機やうちわで暑さをしのいでいて、当時は熱中症ではなく熱射病と言っていましたが、今ほど大きな問題にはなっていません。

温暖化で今とは気温が違うという人が居ると思いますが、昔でも日照りが続いて干ばつになり飢饉が起きており、昔から周期的に暑くなったり寒くなったりしていて、今はたまたま暑い時期なのではないでしょうか。

日本は島国で周囲を海で囲まれているので、本来であれば大陸よりも気温が上がりにくいはずですが、便利さばかりを求めて道路はアスファルトだらけで照り返しが強く、エアコンの室外機から熱風を排出していて、これこそが日本での気温上昇の原因ではないでしょうか。

エアコンを控えれば室外機から排出する熱風が減少し、日本は電力の多くを火力発電に頼っており、電力使用量が減ればCO2削減にも繋がり、気温上昇を抑えることができ、良いことづくめだと思います。

熊本で地震が発生して多くの方が被災され、心からお見舞いを申し上げますが、今はほぼ復旧していると思いますが、しばらく停電が続いてエアコンが使えなかった方も多かったと思います。

普段から30℃前後に慣れていると気温が35℃でも5℃程度の差なので暑さに我慢できますが、エアコンで25℃以下に慣れている方は10℃以上の差なので非常に辛いと思います。

25℃以上の夜を熱帯夜と言い、テレビではしきりに寝ている間もエアコンを付けるように言いますが、普段から30℃前後に慣れていると25℃は涼しく感じるのでエアコンは不要で、夜に窓が開けられない環境の人は別ですが、窓を開けられる環境の方はエアコンに頼らずに自然の風を取り入れる事をお勧めします。

日によって風向きなどで風が通りにくい時もありますが、扇風機を利用し、それでも暑ければエアコンに頼っても問題ないと思いますが、エアコンに頼らずに窓を開けて寝ると朝は涼しい風と蝉の声で目が覚め、清々しい気分になります。

25℃以下に慣れてしまった方にいきなり30℃前後の環境にするように言いませんが、エアコン設定を少しずつ下げて徐々に慣らしたり、少なくも夜間はエアコンを控えて、人間が備わっている体温調整機能、免疫を落とさない生活をする事を提案します。